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自己破産したら財産はどうなるの?残る財産と残らない財産とは?

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監修弁護士_田中さん

記事監修:田中 健太郎 氏
弁護士法人東京スカイ法律事務所 代表社員・弁護士

自己破産をしたら所有している財産がどうなるのか気になりますよね。この記事では、手元に残る財産と残らない財産について詳しく解説していきます。

このページをざっくりまとめると…

自由財産もなくなってしまうの?

A.自由財産は残ります。

自己破産すると、一定の財産は処分されてしまいます。

しかし、全ての財産を処分すると、これからの生活が困難になる可能性もあるので、生活に必要な最低限の財産を残すことができるのです。

これを、自由財産といいます。

自由財産に当たるものとは?

自由財産の範囲は、自己破産手続きをする裁判所によって考えが異なります。ここでは、東京裁判所を例に取って見てみましょう。

自由財産に当たるもの

新得財産

自己破産後に新しくできた財産

例)自己破産開始決定が、5月1日だった場合、その前の月、4月に働いた分の給料(支払いが5月2日以降)は本来、破産財産になりますが、そこまで厳密には取り締まっていないので、新得財産になります。

差押禁止財産

生活に必要な最低限の財産。

全て差押禁止財産になる物
  • 衣類
  • 洋服ダンス
  • 食器類
  • キッチン用品
  • 食器棚
  • 冷暖房器具(エアコンはNG)
  • CD/DVD/ブルーレイ(ソフト)
  • マンガ
  • ゲーム

など

複数ある場合1つだけ差押禁止財産になる物
  • 冷蔵庫
  • 洗濯機
  • 掃除機
  • テレビ
  • パソコン
  • ラジオ
  • ビデオデッキ
  • DVD/ブルーレイレコーダー
  • エアコン
  • レンジ
  • 湯沸かし器
  • 鏡台

など

その他の差押禁止財産
  • 実印
  • 仏像
  • 位牌
  • 礼拝に必要なもの
  • 仕事で必要な道具
  • 義手や義足(身体補助具)

など

自由財産の拡張がなされた財産

自由財産に当てはまらない財産についても、裁判所で「自由財産の拡張」の手続きをし、認められれば自由財産となる場合があります。

例)車椅子に乗っているなど、身体が不自由な方が、交通の便が悪い地域に住んでいる場合、車は生活する上で必要になります。しかし、車は自由財産として認められていません。このような場合、自由財産の拡張手続きを行い、裁判所が事情を考慮して認められれば、車は自由財産となります。

破産管財人によって破産財団から放棄された財産

破産管財人が、自己破産手続きをスムーズに行うための都合上、破産財団から放棄された財産のことです。

つまり、換価処分するのが難しい財産は、破産管財人から放棄されることがあります。

例)山間部にある価値がない不動産などは、買い手がつかない(換価処分するまでに時間がかかる)価値はあるが、マニアックな物なので、買い手を探すまでに時間がかかる

上記のような場合、破産管財人によって破産財団から放棄された財産となります。

参照元:債権回収の弁護士無料相談サイト(https://saiken-law.com/base/315/)

参照元:弁護士法人・響(https://hibiki-law.or.jp/debt/hasan/12626/)

自己破産の際に処分・手放すことになる財産とは?

自己破産をした場合に処分をしたり手放すことになる財産について更に詳しくご紹介します。

不動産

マイホームを持っている場合、処分の対象になります。任意売却か競売にかけられる形になり、自己破産後は賃貸物件など新たな家を探さなければなりません。 マイホームではなくてもともと賃貸物件に住んでいた場合は特に引越しなどは必要ないのですが、家賃を滞納している場合は注意が必要です。

滞納している家賃も自己破産で免除が認められる対象となるため、0になります。このような状態になれば立ち退きを求められる可能性が高いです。 立ち退くのは難しいから家賃だけ支払って住み続けたいと考える方もいるかもしれませんが、一部にだけ支払いを行うことは認められていません。

自由財産の拡張で認められた場合を除き、車も処分対象になります。ただし、売却してもほとんど価値が認められないような車であれば手元に残すことも可能です。価値の高い高級車に乗っている場合などは処分することになるでしょう。これはバイクも同じです。

自己破産する際の
車・住まいの扱いについて詳しく見る

生命保険

20万円を超える解約返戻金がある保険の場合は解約をする必要があります。 ここで気になるのが、親が破産する人の名義で預金をしたり保険をかけている場合はどうなるのか?ということ。この場合も基本は財産と合わせて20万円以上になる場合は名義人の財産として扱われるため処分を求められることになります。

しかし、親が積み立てなどを行っていたのであれば親の財産として認めて欲しいという考えもあるでしょう。これは直接裁判所に資料を提出して認めてもらわなければなりません。 親の口座から振り込みを行っていたなどの資料がなければ認めてもらうのは難しいです。

参照元:借金返済ノウハウ|グリーン司法書士法人(https://green-osaka.com/sh-knowhow/jikohasan/life-insurance.html)

自己破産する際の
生命保険の扱いについて詳しく見る

家財道具

必要最低限の家財道具は残せます。ただ、あまりにも高価なものは処分の対象になることがあるので注意しておきましょう。また、大型テレビの場合、クレジットカードでローンを組んで支払いを行う方もいますよね。この場合、ローンが残っていたらどうなるのでしょうか。

自己破産をするとローンの返済は行われなくなるため、クレジットカード会社からテレビを引き揚げる旨を伝えられることもあるでしょう。 次にローンの返済が終わっていた場合についてですが、こちらは査定額は20万円を超えるかどうか?によって変わります。20万円を超える価値があると判断された場合は換価処分の対象になるのです。

ただ、特別な機能がついた最新の大型テレビでもない限り、中古で20万円以上の価値がつくことはめったにありませんよね。そのため、一般的なテレビであれば差し押さえられることはないでしょう。 注意しなければならないのはテレビだけではありません。クレジットカードでローンを組んで購入しているものは返済が終わっていない限りカード会社に所有権があります。

例え売却した際にそれほど価値が高くないものだったとしてもカード会社から引き揚げたいと申し出があった場合は従わなければなりません。 引き揚げられるくらいなら転売してお金に換えておこうと考える方もいるかもしれませんが、これは詐欺的行為とみなされるため絶対に行わないようにしましょう。

参照元:リーガライフラボ|アディーレ法律事務所(https://www.adire.jp/lega-life-lab/self-bankruptcy-home-appliances968/)

ペット

ペットを飼っている方も多いですが、場合によっては手放す対象となります。それはペットの飼育が浪費と判断された場合です。例えば、毎月多くの餌代を必要とするようなペットは手元に残せない可能性があります。

一般的な犬や猫、飼育にそれほどお金のかからないペットであれば手放すべき対象にはならないでしょう。

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賞与やボーナスは自由財産となるか

自己破産をすると、所有している一定の財産が換価処分され、債権者に配当・弁済されます。

では、自己破産した際、賞与やボーナス等はどのような扱いになるのでしょうか。

ここでは、その賞与やボーナス等の説明をしていきます。

自己破産すると賞与やボーナスは回収されるの?

賞与やボーナスをすでに貰っている場合

職場からの賞与やボーナスを、すでに貰っている場合は、そのお金が現金で手元にあるなら、現金として、銀行や郵便局などの口座に入っているなら、預貯金として扱われることになります。

これは、上記で紹介した、自由財産の「99万円以下の現金と残高が20万円以下の預貯金」に該当します。

つまり、賞与やボーナスに関わらず、現金か預貯金として扱われ、指定の金額を上回れば、換価処分されるのです。

賞与やボーナスをこれから貰う場合

自己破産手続き開始時に、まだ支払われていない賞与やボーナスの場合は、賞与やボーナスを請求できる権利があります。

なので、これから貰う賞与やボーナスは、換価処分の対象にはなりません

自由財産の拡張を認めてもらいたい時は?

自由財産の拡張を認めてほしいものがある場合は、自己破産者が申立を行います。

裁判所に提出するのは、「自由財産拡張申立書」と「財産リスト(財産目録)」です。

自由財産拡張申立書

例)「預金は、生活のために必要なものなので換価処分しないでほしい」「身体が不自由なので、車は換価処分しないでほしい」などと言った理由を書いて提出します。

財産リスト(財産目録)

財産リスト(財産目録)に書かれている財産リストで、自由財産の拡張を認めてほしいものにチェックを入れて提出します。

自由財産の拡張の申立を行い、裁判所が内容を確認して決定するまでの期間の目安は、自己破産開始日から1ヶ月以内(※)です。しかし、決定が遅れれば、それだけ財産管財人が換価処分を始めるのが遅くなりますから、通常はもっと早く決定することが多いです。

財産の拡張が認められるもの
  • 定期預金や預貯金
  • 保険の解約返戻金
  • 自動車
  • 賃貸の敷金変換請求権
  • 退職金見込額や退職金債権
  • 電話の加入権
  • 過払い金の返還請求権

など

上記の項目が、一般的に財産の拡張が認められるものになります。

この中に該当しないものであっても、生活再建に必要だと裁判所が認めれば、拡張される場合があります。

参照元:破産法 | e-Gov法令検索(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=416AC0000000075)

監修弁護士_田中さん
残したい財産は申し立てで自由財産の拡張を

自己破産すると、マイホームや土地などの不動産や売却価値が低い車、高価な家財道具などの財産は処分の対象になります。ただ、一定の財産だけを処分するのは、自己破産した方の必要最低限の生活を守るためと考えると良いでしょう。

このように、生活に必要な最低限の財産は「自由財産」といい、その範囲は裁判所によって考え方が異なります。裁判所ごとに自由財産の基準はありますが、自己破産者の暮らしに合わせて生活に必要な財産が変わることもあるでしょう。

そこで自由財産の拡張を申し立てできるのですが、自己破産開始から1ヶ月以内と決まりがあります。ご自分の財産がどの程度残せるのか、まずは東京スカイ法律事務所にぜひ相談してみてくださいね。(田中先生)

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田中 健太郎氏

2011年(平成23年)設立の弁護士事務所。良心的な価格設定と相談しやすい体制が特長です。自己破産などの債務問題を得意としており、法律相談実績は2023年7月調査時点で20,000件以上(※)。実力派の弁護士ぞろいで、借金問題については無料での法律相談を実施しています。


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