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自己破産しても会社を解雇されることはない?

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監修弁護士_田中さん

記事監修:田中 健太郎 氏
弁護士法人東京スカイ法律事務所 代表社員・弁護士

自己破産をしようと考えている人の中には、「会社をクビにならないか」という不安を抱えている方もいるでしょう。このページでは、自己破産が原因で会社を解雇される可能性について紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

このページをざっくりまとめると…

不当解雇になるため仕事は続けられる

結論からお伝えすると、自己破産後に解雇されることはありません。なぜなら、雇用契約を結んでいる社員は会社への労務提供の義務を担っており、借金は労務とは無関係だからです。そのため、企業は自己破産を理由に社員をクビにはできません。また、自己破産の経験があるからといって、新しい企業への就職が困難になるということもないでしょう。

その一方で、企業と委任契約を締結している場合は、自己破産の開始が決定するとともに委任契約も終了することが民法653条2号によって決められています。よって、自己破産後は改めて委任契約を結べないか交渉しなければなりません。

仮に自己破産を理由として解雇された場合は、企業へ不当解雇を訴えられます。そもそも、自己破産手続きを行っても勤務先へは通知されないため、企業側に自己破産がばれる可能性は極めて低いと言えます。

不当解雇に当たらないケースもある

上記にて自己破産を理由に企業を解雇されるのは不当解雇に該当するとお伝えしましたが、一部例外もあります。そのうちのひとつが金銭を扱う業務を専門とする従業員の場合。なぜなら、自己破産した人に企業の金銭を扱わせるのは問題があるからです。本来であれば別の部署へ移動させるべきですが、職種が限定されていることで配置換えができなければ解雇も検討しなければなりません。

とはいえ、金銭を扱う業務に就いているからといって、自己破産を理由に解雇するのは重大な問題になる可能性があります。自己破産した場合、企業側は配置替えをするのが基本となり、早急な解雇は不当とみなされる可能性が高いと考えられます。そのため、自己破産の際には企業としっかり話し合いを行いましょう。

自己破産によって制限される仕事・資格はある

自己破産によって制限される仕事や資格は、士業全般や法律上の許認可が必要な職業、一部の公務員や団体の役員などです。数多くある職業のうちの一握りではあるものの、このような仕事をしている人にとっては死活問題となってしまいます。それぞれの仕事や資格について、どのような制限を受けるのかを細かく確認しておきましょう。

弁護士や司法書士などの士業

弁護士や司法書士をはじめとした士業の資格を持つ人が自己破産すると、その資格が一時的に停止されます。そのため、これらの資格が必須となる仕事を経営している場合、資格が停止している間は仕事ができなります

また、経営者サイドではなく被雇用者であるなら資格が停止されますが、自己破産したからといって解雇となるかの判断は勤務先によって異なります。

貸金業など法律上の許認可が必要な職業

貸金業や生命保険募集人、質屋・古物商などの資格は他人の財産を扱う職業のため、自己破産によって資格を一時的に停止されてしまいます。また、旅行業や建築業、警備業や宅地建物取引業といった業種も、法律上の許認可が必要になるうえ信頼性が非常に重要となる職業なので、自己破産時に資格が一時的に制限されるでしょう。

一部の公務員

ひとくちに公務員といっても、その種類は実にさまざまです。ほとんどの公務員は自己破産しても資格制限を受けることはありませんが、公安委員会や公正取引委員会、公証人や教育委員会、人事院委員などの仕事をしている人は、自己破産時に制限を受けるため注意が必要です。

商工会議所や信用金庫などの役員

商工会議所や信用金庫といった団体の役員を務めている場合、自己破産によって職務の継続ができなくなります。他の仕事や資格とは異なり、団体役員は職を追われてしまうのです。なお、企業の取締役に関しては、少し前までは制限の対象だったものの、現在は規定が撤廃されています。

資格や職業の制限を受ける期間は3か月~6か月程度

ここまで自己破産によって制限の対象となる職業や資格を紹介してきましたが、この制限はずっと続くわけではありません。自己破産手続きをスタートした時点で、破産者は職業や資格に制限がかかります。その後、自己破産が認められて免責が決まれば破産者は復権するため、それと同時に制限も解除されるのです。つまり、職業や資格が制限されている時期は、破産手続き開始から免責決定までの間ということになります。

制限開始から解除までの期間は3か月~6か月程度。ただし、免責許可が下りずに何年経っても復権できないケースもあるので、必ずしも上記の期間で解除されるわけではないことを覚えておきましょう。

給与やボーナスなどへの影響は?

自己破産制度は経済生活の再建を目的として設けられているため、破産者が生活困難な状態になっては意味がありません。そのため、自己破産しても給与やボーナスなどへの影響はないと考えて問題なし。「給与をギャンブルに使ってはいけない」などの制約はありますが、基本的に給与やボーナスは差押さえの場合を除いて満額受け取れます。

ただし自由財産・自由財産拡張の枠を超える場合は手元に残せない

自己破産後も生活に必要とされる財産は手元に残せます。これには自由財産や自由財産拡張などの制度がかかわっており、東京地裁の場合では99万円以下の現金であったり20万円以下の預貯金は手元に残すことが可能です。

一方、ボーナスの支給によって手元の財産が基準をオーバーすると、超えた分は手元に残すことができません。また、将来的に支給される予定の退職金などは、支給予定額の8分1相当額が20万円を上回る場合、超えた分を自己破産手続きの資金として支払わなければならないでしょう。

例外として、退職金が確定給付企業年金や確定拠出年金など差押禁止財産に該当する場合は、支給予定額にかかわらず支払いの義務はありません。

【まとめ】自己破産しても解雇されることはない

仕事や資格が制限の対象ではない場合、自己破産手続きを行っても会社を解雇される心配はまずありません。給与やボーナスの支給額が減ることもなく、仮に解雇された場合は不当解雇にあたるため、安心して働き続けられます。

ただし、基準を超える資金は手元に残せないため、スムーズな手続きを希望するのなら専門家に相談するのがベストです。

監修弁護士の東京スカイ法律事務所・田中健太郎氏
不当解雇になるため仕事は続けられる

基本的には、自己破産が原因で仕事を解雇される可能性はありません。雇用契約を結んでいるうちは、借金と労務は無関係であり、会社は社員をクビにはできないとされています。もし、退職を言い渡された場合は、不当解雇に当たるでしょう。

ただ、例外として金銭を扱う業務の場合は、配置替えなどの検討をすることになります。また、給与やボーナスは支給された金額が一定額の基準をオーバーすると、超えた分を手元に残せないため注意が必要です。しかし、自己破産しても給与やボーナスなどへの影響はないと考えても良いでしょう。

自己破産後の解雇について不安がある場合は、東京スカイ法律事務所にぜひ一度相談してみてください。

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代表社員 弁護士
田中 健太郎氏

2011年(平成23年)設立の弁護士事務所。良心的な価格設定と相談しやすい体制が特長です。自己破産などの債務問題を得意としており、法律相談実績は2023年7月調査時点で20,000件以上(※)。実力派の弁護士ぞろいで、借金問題については無料での法律相談を実施しています。


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