自己破産の手引き~手続きの流れから弁護士費用までを徹底解説!

自己破産には種類があるの?

A.同時廃止事件・管財事件・少額管財事件の3種類があります

ひと口に自己破産といっても、実はその手続きには大きく分けて2つの種類があります。「同時廃止」と「管財事件」というものです。

そして近年では、これらの中間に相当する少額管財という手続きを実施する裁判所も増えてきました。

これらの手続きにはどのような違いや特徴があるのか、見ていきましょう。

それぞれの違いって何?

  • 同時廃止

簡単に言えば、破産者がさしたる財産を持っていない場合に行われる手続きになります。

自己所有の一軒家や分譲マンション・高級車・有価証券といった、換金して債権者に配当するお金がないと判断された場合に行われる方法です。

管財人を選任せずに手続きを進められるという特性ゆえに、かかる期間も短く、裁判所に納める予納金も3万円程度の少額で済みます(弁護士費用は別途必要です)。

  • 管財事件

同時廃止とは逆に、破産申請をしたものに、生活する上で最低限必要な物は除き、一定以上の財産を持っている場合や、免責不許可事由に該当する(ギャンブルでの借金や隠し財産があるなど)という場合には、この「管財事件」という手続きになります。

裁判所によって選出された管財人(大抵は弁護士資格者)が、破産申告人の財産や家計、暮らしぶりなどを調査し、財産があれば換金などを行い債務者に分配します。

そうした性質ゆえ、1年以上の期間を要する場合もあり、また裁判所への予納金も最低で50万円程度、財産や負債額によってどんどん上がっていきます(この場合も弁護士費用は別途必要です)。

同時廃止と管財事件のあいだの手続きがある?!

上記の通り、同時廃止と管財事件には大きな差があり、特に管財事件の場合、破産者にとっては時間・費用共に大きな負担が強いられることになります。

そこで、同時廃止の扱いにすることはできなくても、管財事件よりは負担を少なくして行えるようにと生まれたのが、この「少額管財」というやり方です。

平成14年に東京地裁で運用が開始され、大阪・札幌・横浜など、利用できる裁判所が増えています。

一番の特色としては、裁判所への予納金が原則20万円、必要な期間も数ヶ月程度と、管財事件に比べ苦労が大きく軽減されるという点です。

同時廃止ほどではありませんが、かなり楽になると言えるのです。ただし、少額管財を行うには条件があり、破産者が自ら申し立てることはできず、必ず弁護士(司法書士でもNG)を通して申請しなければなりません。

しかし、自己破産手続きは、トータルにかかる費用という点で考えれば、弁護士費用を差し引いても、弁護士に依頼した方が安くすむ場合が大半です。

特に、腕のいい弁護士なら、その状況に応じて適切な対応をしてくれるので、安心して任せることができます。

管財事件から少額管財、少額管財から同時廃止へ状況を変えてくれることも夢ではないのです。

同時廃止事件・管財事件・少額管財事件の流れや必要書類を解説

債務整理の手続きや流れを知っておくだけで、これから迎える自己破産への心構えができます。準備しておかなければならない書類についても解説しておくので参考にして下さい。

自己破産の決心ができなければ、まずは無料の法律相談を利用してみると良いかもしれません。ただし、1つ注意しておかなければならないのは、本人は破産できても、連帯責任者は債務の放棄ができないことにあります。

そのため債権者からの請求に応じなければならなくなるでしょう。(その場合は、連帯責任者の自己破産と免責決定で解決可能)家族への取り立てを心配する人もいますが、連帯保証人でない以上、貸金業法21条によって債務者ではない者に対しての取立て行為は禁止されています。

同時廃止事件の流れ

弁護士は、破産申告人が住んでいる管轄の地方裁判所に申立書を提出します。債権調査から申立書の作成には3ケ月~4ケ月。(弁護士によって異なる)そこから弁護士が裁判官と即日に面接をし、破産した経緯などの説明をして破産手続きに移ります。

弁護士に依頼しなければ、破産手続きの開始に1ケ月かかることもあります。ただし、破産した理由によっては、まれに申告人が裁判所で20分~30分事情を聞かれることもあるでしょうまた、裁判官の性格や考えによって対応が変わったりします。

破産開始から約2ケ月くらいしたら、申告人が裁判所へ出頭して免責を得るための手続きとなります。免責審尋は弁護士ではなく、破産者である本人が裁判官と面接しなければなりません。

その間、債権者には約1ケ月ほどの意見陳述期間が設けられており、官報に掲載されてから2週間以上何もなければ免責決定となるのです。弁護士もしくは裁判所から、申告人の元へ免責決定文が送られてきます。

免責決定には条件があるため、認めてもらえなければ支払いの義務を避けられません。そこは弁護士の手腕によりますが、免責決定から約1ケ月後には破産者でなくなります。

弁護士に依頼してから復権までは、約半年あれば終わるでしょう。(同時廃止の場合は1人で手続きできないこともありません)

管財事件の流れ

裁判所で選ばれた管財人(弁護士)が手続きを進めるわけですが、破産手続きの開始は官報に乗せられます。申告人の財産が調査され、債権者へ換価できそうなものが見つかったら換金されます。

そして債権の届けが提出されている債権者へ、処分してできた対価が支払われるのです。

ただし、すぐに支払われるわけではなく、債権者集会と呼ばれる財産状況報告会が開催され、そこで配当などの詳細が説明されます。債権者集会は裁判所で行われるため、裁判官の立会いの元で開かれます。

そこで配当に問題がなければ破産決定となりますが、免責が決定されるわけではありません。債権者集会は必ずしも1回で済むとは限らないので、2回~3回程度行われることもあります。

その後に管財人の免責調査が始まるため、協力する必要があるでしょう。裁判所は管財人や債権者の意見を公平に聞いて、免責にするか否かを判断するのです。免責決定後は同時廃止事件と同じですが、債権者集会や財産処分などに時間がかかります。

少額管財事件の流れ

少額管財事件の場合は、申告人が選んだ申し立て代理人の弁護士と裁判所から選ばれた管財人との間で話が進められていきます。管財人は、見込みを見いだせなければ少額管財事件として取り扱いません。

必要なところでは申告人の同席が求められたりしますが、破産手続きが開始されるまでは代理人弁護士の出頭だけで済みます。破産手続き開始から約2ケ月後に債権者集会が開かれ、同じように免責手続きへと移ります。

免責手続きが決定すれば、その後の流れは同時廃止事件と同じです。例えばギャンブルで作った借金であったとしても、この先に更生して真面目に働くという可能性を認めてもらえれば、免責が得られる場合もないとは言えません。

管財事件と同じ債権者集会はありますが、弁護士の同行が認められているため、それほど長引いたりはしません。また、債権者が遠方に住んでいる場合は、わざわざ交通費や時間をかけて裁判所まで足を運ぶかわからないので、人数によっては短時間で終わったりもします。

管財事件の管財人は敵にも味方にもなりませんが、少額管財事件の弁護士は紛れもなく申告人の味方です。債権者集会と免責審尋は同じ日である場合が多く、スムーズに進めば早くて半年で手続完了となるケースもあるでしょう。

それぞれの手続きに必要な書類 https://jp.fotolia.com/id/113273612

同時廃止事件・少額管財事件

弁護士を選ぶことのできるこの2件については、必要とされる書類もほぼ同じです。裁判所に提出する書類は、不備があると受理してもらえないので注意しましょう。

◆弁護士と契約する際の委任契約書

債権者へ対しての債務整理開始通知(通知することで督促状が停止する)

◆取引履歴の開示請求(領収書がなくても総返済額を知ることができる)

弁護士に依頼する場合はこれらを用意してもらえます。

◆申告人の収入や財産に関する書類

例)源泉徴収票・給料明細・離職票・家計簿・光熱費の領収書・年金受給書・確定申告書・クレジットカード明細書など

弁護士には隠しだてをすることなく、すべてを提出しましょう。家族で共有している場合も、自分の名義であれば財産として含まれます。

ただし、同時廃止事件は財産がないことが前提なので、換価できるとなれば管財事件に切り替わることもないとは言えません。

弁護士に依頼することなく手続きをしたい場合は、裁判所の受付窓口に置いてあるため、書き方の説明を受けることができます。

破産手続開始や免責許可の申し立てには、住民票(本籍地の記載あり)や預金通帳の写しなども必要になります。

管財事件

管財事件も、用意しなければならない書類にあまり変わりはありません。ただし、財産を示すものは細かいところまで提出することになります。

例)不動産登記簿・生命保険証書・各種手当証明書・車検証・宝石鑑定書・退職金支払い証明書・敷金の返金・株式など

パソコンや家電など持ち主を証明する書類がない場合は、選任された管財人の指示に従って下さい。

換金できなければ破産手続きも進まないので、ブランドのバッグや財布などで領収書を保管しているならそれも加えておきましょう。不動産に抵当権が設定されている場合は、非担保債権額を差し引いてから計算されます。

換金性の高いものをすべて並べ、財産目録を作成することになります。

一例として、車や不動産など項目別で20万円以上あれば管財事件となりますが、その振り分けは裁判所によって違うためそれぞれの判断に委ねられます。

そのため総額が大きな金額にならない場合、10万円のパソコン+15万円の預金などは、同時廃止として扱ってもらえるところもあるのです。

管材事件の場合は財産の配当があるため、債権者の住所・氏名・借金残額などを記した債権者一覧表は記入漏れがないように気をつけて下さい。

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