自己破産の手引き~手続きの流れから弁護士費用までを徹底解説!

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税金の滞納分はどうなる?

A.自己破産した場合、税金滞納分は免除されません

自己破産手続きを行った場合、税金滞納分はどうなるのか、その他の支払い義務はどうなるのか、気になっている方も多いでしょう。

実は、税金滞納分は、たとえ自己破産手続きを行っても、免除対象にはなりません。

自己破産したからといって、すべての支払い義務が免除される訳ではないということを、よく踏まえておいてください。

ほかにも免除にならないお金はある?

税金滞納分だけでなく、免除にならないお金というものが存在します。

自己破産には「非免責債権」というものが設定されており、これに該当するものは、支払い免除とはなりません。具体的には以下の通りです。

  • 各種税金
  • 所得税、相続税、住民税、自動車税、健康保険料など

  • 損害賠償
  • 詐欺や窃盗などの犯罪に対する賠償、交通事故の損害賠償金、浮気の慰謝料など

  • 扶養に関する費用
  • 婚姻生活を送るための婚姻費用や子どもへの養育費など

  • 故意に隠蔽した借金など
  • 自己破産手続きの際に故意に隠した借金など

  • 各種罰金
  • 刑罰によって課せられた罰金。交通違反金など

払えない…どうしたらいい?

自己破産した後で、これらの支払いはどうしたらいいのでしょうか?

まず、賠償金や不要費用など、個人が支払い相手のお金に関しては、弁護士に間に入ってもらい、支払いに関する分割や猶予期間などを交渉してもらう、あるいは自分自身で誠意を持ってお願いするというのが大事です。

もちろん、不誠実な対応は言語道断。ましてや、お友達や親類にお金を無心するといったことも行うべきではありません。収入と金額のバランスを考えて、無理なく返済できるプランを考えるなどの対応が賢明です。

税金などの役所に対する支払いについても、基本的に対応は同じ。

支払う意思はあるということをしっかり説明した上で、自己破産していてすぐに支払うことができない旨をしっかり伝えれば、滞納している税金については、無理のない範囲で分納といったことも可能になります。また、新たに発生する税金についても猶予期間を与えられるでしょう。

この場合も、弁護士さんに間に入ってもらうことが効果的です。逆に、何の説明もしないまま税金を滞納したままでいると、強制執行(自己破産後で差し押さえられる財産が微々たるものだったとしても)もありえます。説明しておけば、このような自体は防げますので、しっかり心得ておいてください。

なお、生活保護費を受給している場合も、税金の一時的な猶予が与えられます。

また、生活保護費を5年以上受給している場合、5年を迎えたものから順に支払わなくてよくなる制度もあるので覚えておくとよいでしょう。

だからといって、悪用は厳禁です。払う努力を怠ってはいけません。

滞納処分で差し押さえられていた財産はどうなる?

A.自己破産をしても、差し押さえられていた財産はそのままです。

自己破産をすれば、差し押さえられている財産はどうなるのか、きちんと戻ってくるのか、気になっている方もいると思います。

実は、自己破産をしても、差し押さえられている財産は、そのままです。

では、詳しく確認してみましょう。

差し押さえも帳消しにはならない?

自己破産前に、滞納処分として差し押さえられていた財産は、差し押さえのままになります。

税金は、自己破産した後も、払う義務があるお金です。

これは、破産法43条で決められているものです。

(国税滞納処分等の取扱い)

第四十三条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産に対する国税滞納処分(外国租税滞納処分を除く。次項において同じ。)は、することができない。

2 破産財団に属する財産に対して国税滞納処分が既にされている場合には、破産手続開始の決定は、その国税滞納処分の続行を妨げない。

引用元:破産法(https://goo.gl/9UMHbG

要約すると……

自己破産開始後に、自己破産する人の財産を差し押さえすることができないのは、債権者と同じです。しかし、自己破産開始前に、滞納処分で差し押さえられている財産に関しては、自己破産をしても差し押さえを停止しなくてよい、ということです。

差し押さえを解除したいのであれば、滞納分の支払いを完納する必要があります。

自己破産後の税金の請求について

滞納がある場合でもない場合でも、自己破産後も税金の請求は続きます。

税金は、上記でも紹介したように、「非免責債権」です。これは、支払い義務があるお金なので、覚えておきましょう。

対象となる税金の詳細は、具体的に下記の通りです。

・国税

消費税、所得税、贈与税、相続税、法人税など

※これらの延滞税や加算税も含まれる

・地方税

市民税、県民税、固定資産税、自動車税、不動産取得税、事業税など

※これらの延滞税や加算税も含まれる

・社会保険料

国民健康保険/国民年金/厚生年金など

・その他、徴収金

保育料/子ども・子育て拠出金(旧・児童手当拠出金)/下水料金使用料など

滞納税金の納税義務が消えるケース

自己破産をしても、税金を支払う義務はなくなりません。

しかし、滞納している税金は、支払う義務がなくなることもあります。

滞納している税金を払う給料や預金、差し押さえができるような財産がある場合は、国税庁や県庁、市役所などの徴収機関に差し押さえられる可能性があります。

ですが、本当に収入がなく、財産等も持っていないような場合は、「滞納処分の停止」を受けることができます。

滞納処分の執行停止とは?

1.滞納している税金を払う給料や預金、差し押さえができるような財産がない

2.滞納している税金を支払うと生活が著しく困窮する

3.滞納者の所在と財産の所在が共に分からない

上記のような場合は、「滞納処分の執行停止」に該当します。

また、この「滞納処分の執行停止」の状態が3年間続くと、滞納している税金を納付する義務が消滅します。

しかし、注意してほしいのが、今後の税金が免除されるという訳ではないということです。

また、給料や預金があるということは、市町村が調べればすぐに分かります。

給与支払報告書などで、勤務先に給料の照会をすることもできますし、財産調査もすることができるので、給料や預金があるということが分かった時点で、滞納処分は再開となるのです。

法人の場合は事情が異なる

自己破産するのが、個人と法人ではどのような違いがあるのか、曖昧になっている方も多いでしょう。

・自己破産をするのが個人の場合

自己破産の方法:同時廃止事件と管財事件どちらか

個人が自己破産をした場合、借金の支払い義務がなくなるが、税金を支払う義務や滞納している税金は、支払う義務はあるということです。

・自己破産をするのが法人の場合

自己破産の方法:管財事件のみ

法人が所有している全ての財産を処分・清算して、債務を消滅させた後、法人自体も消滅します。

法人自体が消滅してしまうと、支払いのしようがないので、滞納税金の納税義務がなくなるのです。

しかし、法人の財産を個人が所有している場合は、納税義務が残るケースもあるので、覚えておきましょう。

また、脱税など悪質な滞納の場合には、法人の代表者に支払いを厳しく追及される場合もあります。

個人の滞納税金や自己破産後の税金の支払いについては、役所や税務署へ行き、誠意を持って相談することが大切です。

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